梅雨の時期になると、「なんだか食欲が出ない」「すぐに胃がもたれる」「お腹が張る」といった胃腸の不調を感じる方が増えてきます。
特に6月は湿度が高く、気温の変化も大きいため、消化機能に影響が出やすい季節です。

この時期の胃腸トラブルの原因の一つは、湿気による体内の水分代謝の乱れです。
東洋医学では、体に余分な“湿”が溜まると、消化吸収を担う「脾（ひ）」の働きが弱まり、胃腸の不調を引き起こすと考えられています。
具体的には、胃の重だるさ、食後の膨満感、下痢や軟便、そして食欲不振などが代表的な症状です。

また、梅雨の不安定な気候は、自律神経にも影響を与えます。
ストレスや睡眠の質の低下などが重なると、胃酸の分泌や腸の動きが乱れ、胃のムカムカや便通異常につながることもあります。
さらに、気温の上昇に合わせて冷たい飲み物や食べ物を摂る機会が増えることで、胃腸が冷え、機能がさらに低下しやすくなります。

では、梅雨時期の胃腸不調を防ぐにはどうすればよいのでしょうか？

まず意識したいのは、体を冷やさない食生活です。
冷たいものばかりではなく、温かく消化に良いものを選びましょう。
おかゆ、蒸し野菜、味噌汁など、胃腸をいたわる食事を心がけることが大切です。
また、脂っこいものや甘いものは湿をためやすいため、控えめにするのが理想です。

食事の時間もポイントです。
不規則な食生活は胃腸に負担をかけるため、朝・昼・夕をなるべく決まった時間に取り、夜遅くの食事は避けるようにしましょう。
食後はすぐに横にならず、軽く身体を動かしたり、ゆったりとした時間を過ごすことで、胃の働きを助けます。

また、鍼灸では、体全体の巡りを整え、胃腸の働きをサポートする施術を行います。
自然治癒力を高めることで、薬に頼らずに体質改善を目指すことができるのが特徴です。
特に「梅雨になると毎年食欲が落ちる」「胃が重くてやる気が出ない」という方には、早めのケアが効果的です。

季節の変わり目に敏感な方こそ、日頃の体調管理が大切です。
6月の胃腸トラブルは、一時的なものと思わず、しっかり向き合うことで快適な毎日を取り戻しましょう。