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鍼灸治療院コラム

2025/06/09
院長コラム
【不眠の原因は「自律神経の乱れ」?梅雨時期の睡眠改善法】

「寝つきが悪い」「夜中に何度も目が覚める」「朝起きても疲れが取れない」──梅雨の時期になると、このような不眠の悩みを訴える方が増えてきます。
実はこの季節、睡眠に関わる自律神経の働きが乱れやすく、知らないうちに眠りの質が低下していることが少なくありません。


梅雨の特徴である気圧の変化・湿度の上昇・日照時間の減少は、私たちの心身に少なからず影響を及ぼします。
特に気圧の変動は、体内の自律神経のバランスを乱す大きな要因です。
自律神経は「交感神経(活動モード)」と「副交感神経(リラックスモード)」から成り立っていますが、この切り替えがうまくいかなくなると、夜になっても心身が興奮状態から抜けず、眠りが浅くなったり寝つきが悪くなったりします。


さらに、湿気が多いと体内の水分代謝が滞りやすくなり、体が重だるく感じることも。
不快感が続くと、知らず知らずのうちにストレスが蓄積され、それが睡眠に影響を及ぼすという悪循環に陥るのです。


東洋医学では、このような不眠を「心身のバランスの乱れ」と捉えます。特に内臓の働きが過敏になると、精神が安定せず、睡眠の質が低下すると考えられています。
また、体内に余分な“湿(しつ)”がたまることで気の巡りが悪くなり、それが不眠やだるさを引き起こす要因ともなります。


不眠改善の第一歩は、生活リズムを整えることです。
毎日同じ時間に起きて、朝日を浴びることが体内時計をリセットし、夜の眠りを深くする助けになります。
夕方以降はスマートフォンやパソコンの画面から離れ、刺激を減らすことも効果的です。


また、夕食は寝る2~3時間前までに済ませ、カフェインやアルコールの摂取は控えめにするのがおすすめです。
ぬるめのお湯でゆったりと入浴することで副交感神経が優位になり、心身がリラックスしやすくなります。


そして、鍼灸治療では、全身の気血の流れを整えながら、自律神経の調整を行うことで、不眠の根本的な改善を目指します。
薬に頼らず自然なかたちで眠れるようになりたい方には、東洋医学のアプローチが非常に有効です。


「眠れない」は放置せず、心と体のバランスを見直すチャンス。
不調のサインに早めに気づき、根本から整えていきましょう。

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