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鍼灸治療院コラム

2025/09/22
院長コラム
【慢性的な便秘と鍼灸による自律神経調整】

便秘は一時的なものから慢性的なものまで幅広く、特に「3日以上排便がない」「お腹が張る」「便が硬くてすっきりしない」といった状態が続くと、日常生活に大きな支障をきたします。
日本では慢性的な便秘に悩む方が多く、特に女性や高齢者に多く見られる症状です。
薬や食事改善を試しても改善しないケースでは、自律神経の乱れが背景にあることも少なくありません。
今回は、慢性便秘と自律神経の関係、そして鍼灸がどのように役立つのかを解説します。




便秘の主な原因


便秘は単なる「腸の働きが悪い」だけではなく、さまざまな要因が重なって起こります。


・食物繊維や水分不足

 偏った食事や水分摂取不足は腸の動きを鈍らせます。


・運動不足

 腸は筋肉の働きによって動くため、体を動かさない生活は便秘を招きます。


・自律神経の乱れ

 腸のぜん動運動は自律神経によりコントロールされており、ストレスや生活リズムの乱れで働きが低下します。


・薬の副作用や加齢

 一部の薬や年齢による腸の機能低下も関与します。


特に慢性的な便秘は、食事や運動だけでは改善しないことが多く、自律神経の働きに注目する必要があります。


自律神経と便秘の関係


自律神経には交感神経と副交感神経があり、腸の動きは主に副交感神経が担当しています。
ストレスや不規則な生活で交感神経が優位な状態が続くと、副交感神経の働きが抑えられ、腸のぜん動運動が低下。
結果として便が腸に長く滞り、慢性的な便秘を引き起こします。



鍼灸による便秘改善のアプローチ


鍼灸治療は、腸の働きを整えるために有効な方法のひとつです。


・自律神経のバランスを整える

 鍼の刺激やお灸の温熱はリラックス効果を高め、副交感神経を優位に導きます。その結果、腸のぜん動運動が促され、自然な排便が期待できます。


・血流改善

 お腹や腰まわりの緊張を和らげることで血流が良くなり、腸の働きがスムーズになります。


・ストレス軽減

 鍼灸は精神的な緊張を和らげる効果もあり、ストレスによる便秘に適しています。



日常でできる便秘予防


鍼灸とあわせて、以下の生活習慣を意識することで慢性便秘の改善につながります。


・水分をしっかり摂る(1日1.5~2リットルが目安)


・発酵食品や食物繊維を取り入れる


・毎日軽い運動やストレッチを行う


・睡眠のリズムを整え、夜更かしを避ける



慢性的な便秘は、食事や運動だけでは解消できないことが多く、自律神経の乱れが大きな原因になっているケースも少なくありません。鍼灸は自律神経のバランスを整え、腸の働きを自然に回復させるサポートが可能です。長年便秘に悩んでいる方や薬に頼りたくない方は、鍼灸治療を取り入れることで体質改善のきっかけをつかめるかもしれません。

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